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札幌市東区の内科、消化器内科、糖尿病内科、小児科の病院

特定医療法人とこはる 東栄病院

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医学豆知識

糖尿病の知識(その2)
はじめに

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの不足が原因で起こる病気ですが、一旦衰えたインスリンの分泌能力は完全には戻りません。糖尿病の治療の目的はこれを完全に治すことにあるのではありません。血糖値を高くならないようにコントロールして、合併症を起こさない事が肝要です。なぜなら血糖値を高いままにしておくと、いずれ必ずいろいろな合併症が起こり、人生を不幸にするからです。

今回は糖尿病とうまく付き合っていくために必要な検査や食事についてお話します。

糖尿病コントロールの目標
糖尿病とうまく付き合っていくには以下のようになることが理想です。
体重 適正体重
検尿(尿糖) 陰性
血糖 空腹時 110mg/dl以下
食後2時間 180mg/dl以下
HbA1c(糖化ヘモグロビン) 7.0%以下
(6.0%以下なら最も理想的)

自分の標準体重は以下の式から求めます。

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

例えば身長160センチの人の場合、標準体重は1.6×1.6×22=56.3kgとなります。

標準体重は肥満度測定の一つの目安に過ぎませんが、これに近づくよう努力することが大切です。


糖尿病の血液検査は血糖測定とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が主なものですが、コントロールの良悪の判断にはHbA1cの測定がすぐれています。HbA1cとは赤血球内のヘモグロビン(血色素)にブドウ糖が結合してできた糖化ヘモグロビンのことです。その割合は過去1~2ヶ月間の血糖値に比例するので、これを調べれば平均血糖値がわかるのです。

正常値は4.6~6.2(%)です。糖尿病の方が目指すべき目標として日本糖尿病学会は次のようにすすめています。

HbA1c
(イ) 6.0%未満 血糖正常化をめざす際の目標
(ロ) 7.0%未満 合併症予防のための目標
(ハ) 8.0%未満 治療強化が困難な際の目標
(ハ)は高齢者などで食事療法や薬物療法がうまく出来ない場合でも、最低これ以下にはしましょうという目標です。一般の方々は(ロ)を目指すと良いでしょう。(イ)はより完全のコントロールということになります。
糖尿病の治療
糖尿病の治療では食事と運動が基本となります。それでもコントロール不良の場合に薬を使った治療を行いますが、あくまでも食事と運動、いわゆる生活習慣の改善が糖尿病のコントロールには大切です。
  • 食事療法
  • 体格や仕事・運動量にあった適正なエネルギー量の食事を摂ることが大切です。そしてエネルギーの総量だけでなく糖質・脂質・タンパク質の三つの栄養をバランスよく摂ることにも気をつけます。一日に摂るべきエネルギー量は医師が各人の体格や生活内容から決めてくれます。その際「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用します。(書店や病院で購入できます)この食品交換表は日常の食品約500種類を、含まれている栄養の種類から6つのグループと調味料に分類してあり、カロリーや食品の量が簡単にわかるように工夫されているので、いろいろな種類の食事を摂ることができます。これらのことについては食事療法をはじめる前に栄養士による栄養指導を受けるといいでしょう。

    食事をする上で注意しなければいけないことは「規則正しい時間に・三食きちんと・食事の間隔をあける」ことです。血糖値は食事をとると上昇し、常に変動していますので、上手にコントロールするにはこれらのことを守るようにします。その他、甘いものや乾いたもの・健康飲料・のど飴など、ついつい食べてしまいがちな物にもカロリーがありますので注意が必要です。

  • 運動療法
  • 運動をすると筋肉などの細胞がブドウ糖を取り込んでエネルギーとして消費し、血糖値が下がります。同時にインスリンの働きがよくなり、効率よく作用するようになります(インスリン感受性改善)。運動はこま切れでもいいので毎日持続して行うことが大切です。ウォーキングが最適な運動ですが、特別な運動でなくても駅や職場でエレベーターを使わずに階段を使う、駅からバスを使わずに早足で歩く、などの工夫で十分運動になります。1日30分から60分を目標にしましょう。

  • 薬物療法
  • 食事療法をきちんと行い、運動療法に努力しても良好な血糖コントロールが得られない場合、次に薬物療法を併用することになります。

    糖尿病の内服薬にはインスリンを出させる薬、小腸からのブドウ糖吸収をゆっくりさせる薬、細胞に働きかけてインスリンの作用を高める薬などいろいろな薬がありますが、医師が病状を見ながら各患者さんに合った薬を選ぶことになります。

    内服薬でコントロール不良の場合はインスリンの注射をすることになりますが、これにも超速効型・速効型・中間型・持続型・混合型などいろいろな種類があり、病状により使い分けます。以前は内服薬を色々使っても良い血糖コントロールが得られず、合併症も起きて来たという時に万策尽きてインスリン療法へ、という順序が一般的でしたが、現在では合併症を起こさないように早いうちからインスリン療法を開始するという方針が常識となっています。その為にインスリン注射器は格段に進歩して誰でも簡単に無痛下に出来るようになり、またそれに伴う血糖の自己測定も全く簡易に出来るようになっています。

    薬物療法を行う際は医師から指示された時間と量をきちんと守ることが大切です。薬が効き過ぎて「低血糖」を起こすことも危険ですが、勝手に中止して「高血糖」を放置することは合併症の発生を招くことにつながります。


人間の内臓の能力には限界があり、インスリンの分泌能力も加齢と共に衰えてきます。過食、過飲を避け、膵臓に過重な負担をかけず大事にしましょう。

糖尿病の知識(その1)
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